サラ金の歴史

 

サラ金の歴史-消費者金融と日本社会 (中公新書 2634)
 

 

1 購入動機

修習時代にお世話になった先生がクレサラ対協にかかわっており、活動についてはいろいろと伺っていました。

修習では宇都宮先生の著書をお貸しいただき、世間知らずな自分が触れたことがない世界があること、クレサラ被害の実態等を教えてもらいました。

ただ、被害はよく理解できたのですが、なぜここまでサラ金が栄華を極めたのかということを知らなかったため、それを補完するために読んでみました。

 

2 感想

中立的な記載を意識していたと著者がいうこともあり、その動機を満たす内容でした。

多数の文献に基づいて、資金調達、審査手法、顧客のニーズなど様々な角度から、サラ金の発展と衰退を分析していた点が素晴らしく、読み物としてとても面白かったです。

総量規制等によってサラ金が衰退した後は、特殊詐欺への移行、個人間融資の復権が生じているとのことですが、やはりニーズがある限り、それを満たす経済的合理性を有するシステムが作られるのであり、人間の欲望は本当に果てがないなと思います。