法学入門
1 購入動機
以下の記事を読んで、本書が勧められていたため。
2 感想
面白かったです。
第1講で、法は規範・主体・手続から成るとしていますが、本書は全体を通して規範と主体に焦点を当てていたように思います。
第2講~第4講で日本法制史の概要を解説し、日本における明治期・敗戦後の西洋法の受継が政治的側面からなされたものであると分析します。
そのうえで、第5講では、法の担い手の側面から分析し、日本では西洋でいうプロフェッション的な考え方が根付かなかったと分析しています。
この点、筆者は、日本では、政治的側面から西洋法が享受されたため、法律を所与のものとして受け入れるということばかり強調され、法律や裁判所を絶えず改善していくというプロフェッションの一側面が弱いということを強調しているように思います。
さらに、第6講では、法の担い手を要請するプロセスについて検討し、各国の法学教育の状況について概説します。
第7講以下は、法学や法律がどのような分野に仕訳されるかを丁寧に解説し、全体像を提供するものとなっていました。ここは、ある程度法律を勉強した人なら当たり前のことが書いてあるので、ざっと読み飛ばしました。
感想めいたものを述べるとすれば、以下の通りです。
・プロフェッション的な在り方は、自分ももう少し模索してみたいと思いました。
・個人的な勉強として、基礎法学をやってみるのも悪くはないかもしれません。
・40年前と現在は全く異なる状況にあると思いますが、本書で述べられるほど、日本法学が世界の中で占める割合はさほど大きくなく、また西洋法を乗り越えたとも言えないように思いました。
・14Pの「法学履修に対する適応・不適応」は、不本意で進学したロースクールでも微妙な成績しか取れず、挫折しそうになっていた自分を支えてくれました。やはり凡人は、じっくりと時間をかけて勉強するということは大切なのでしょう。