日本一稼ぐ弁護士の仕事術

 

日本一稼ぐ弁護士の仕事術

日本一稼ぐ弁護士の仕事術

 

 1 購入動機

自分が、筆者のように売上5億も上げることができないことは明らかなので、どうやって達成したのかを学ばせていただこうと思ったから。

 

2 感想

この本には、仕事を取る→ハードワークする→成果で信頼を得るということが書かれており、特にハードワーク部分に重点が置かれています。

しかしながら、私が興味があったのは仕事を取るという部分です。

そのような観点から見ると、彼の強みは、①フットワークの軽さ、②北浜と東日本大震災事業者再生支援機構での経験、③徹底した準備にあり、それゆえ、組織のトップに気に入られ、仕事をもらえるようになったのではないかと思いました。

毀誉褒貶相半ばする人物ですが、やはり勉強になるところはあるものです。

 

これを踏まえて考えると、今の自分には、ダメモトでいいから、いろいろなところに顔を出して、覚えてもらって、人脈を作るということが圧倒的に欠けているように思います。

コロナ時代にどのように対応するかはなかなか難しいところですし、どういうところに顔を出せばいいのかはよく考える必要がありそうですが、自分にできる無理のない範囲でやるしかありません。

公開の法廷において陳述された準備書面は公表されているか

考えるきっかけは以下のツイートでした。

 

準備書面は、個性の発露が弱いとしても、場合によっては著作物に該当しうるとは思います。

じゃあ公表権侵害が成立するかと言われれば、40条1項*1により利用が許されるのに、公表権侵害が成立するのはバランスが悪いと感じました。

そこで、公表権侵害を否定するロジックを考えて思い付いたのが、準備書面が未公表著作物に該当せず、公表権侵害が問題にならないというロジックです(18条1項)。

まず、著作権法では、①発行、②権利者又はその許諾等を得た者による上演、演奏、上映、公衆送信、口述又は展示の方法による公衆への提示を行うと公表されたことになります(4条1項)。

そして、発行とは、公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が権利者又は許諾等を得たものにより、作成され、頒布された場合をいうとされています(3条1項)。

ここで問題になるとすれば、①発行、②口述、③展示のいずれかなのではないかと思います。

まず、発行について検討すると、これはなかなか難しいように思います。

すなわち、準備書面の交付対象は、裁判所と相手方当事者であり、裁判所に交付することにより、謄写の対象になり、当事者及び利害関係人に供されることになります。

しかしながら、これが公衆の要求を満たすかといわれれば、それに足りないと評価せざるを得ないように思います。。

次に、口述についても、民事訴訟法上の陳述と著作権法の口述は異なる概念であり、実務では「陳述します」としか言わない以上、口述したとはいえないと思います。

最後に、展示については認める余地があるのではないかと思います。

すなわち、準備書面は原則として閲覧の対象になるところ、裁判所に準備書面を提出することにより、裁判所を手足として*2、公衆に広く展示していると評価することが可能なように思います。

 

公表権自体はマイナーな権利ですが、こう考えてみるとなかなか面白いなと感じました。

考える素材を提供してくれた藤吉先生には感謝です。

*1:40条1項との関係では、準備書面が公開の陳述に該当するというよりは、公開の法廷における陳述=準備書面であるため、公開の陳述の複製物を利用していると位置づけざるを得ないと思われます。

*2:閲覧させる主体は裁判所であるため、準備書面の作成者が展示していないというロジックも成り立ちえます。

独学大全

 

 1 購入動機

勉強法の本が手元になかったので、好奇心から買ってみました。

 

2 感想

分厚いのだけれど、衒学的な話がつらつらと書いてあって、ここまでの厚さにするほどの話ではないというのが素直な印象。

中身のテクニックについては実践していたものもあり、そこまで新規性があるようには感じられませんでした。

結局、自分に合った続けられる形でコツコツと進めていくのが王道であることを再確認した次第です。

 

日本近現代史講義

 

 1 購入動機

Twitterで弁護士の先生が、メンタルを病んでいてこれぐらいしか読めないと言っていて、興味を持ったので購入。

 

2 感想

日本史は中学受験以来でしたけど、とても楽しめました。

あとがきによると、この書籍は自民党での講義をまとめたものだったようですが、そのせいか大変わかりやすくまとめられていました。

中学受験で勉強したときは、世界史的な視点はあまりなかったように記憶していますが、この書籍は世界史、特に中国との関係を意識して執筆されているように感じました。

読み終わって、近現代史をさらに深堀りしようとまでは思わなかったですが、発展的な勉強をしたい人のために、次に読むべき本が紹介されているのもよかったです。

確かにメンタルを病んでいるときはこういう気晴らしの読書はいいかもしれませんね。

 

破産手続における事業譲渡

今週末は、破産手続における事業譲渡を勉強していました。

読んだ文献は以下の通りです。

工藤敏隆 事業譲渡による事業再生―「計画外」から「再建型手続外へ」(論究ジュリストNo.35 P123~)
鈴木学 事業譲渡を先行させた破産手続における留意点(事業再生と債権管理No.161 P82~)
河本茂行 新型コロナウイルス感染症下における中小企業の「再生型破産」手続(事業再生と債権管理No.171 P130~)

アウトラインはおおむねつかめましたが、気になるのは、債務の承継が債権者平等を害し許されないという認識が共有されているにもかかわらず、実際には債務の承継が大半である点です。

おそらく全体的な価値に増加に寄与していることから債権者平等は害されないという理解なのでしょうが、全体的な価値の増加で債権者間の不公平をどこまで正当化することができるのかははっきりしないように思います。

また、ここでいう債権者平等を害するという点について、否認ができるかという問題は否認の根拠条文にも関係するように思います。

否認の根拠条文の160条説を前提にするとすれば、160条では否認できないが、問題のある債務の承継がなされているというケースにおいて、否認を認めるべきかという問題が生じるのではないでしょうか(160条説からはある種の割り切りが必要になるのではないでしょうか)。

ただ、結論としては債務の承継は認めざるを得ないケースが大半であると思われます。

そうすると、理屈はともかく、全体的な価値の増加に寄与しており、かつ、債権者平等の著しい潜脱と評価されるような承継がなされない限り、実務的にはあまり大きな問題にならないのでしょう。

ある日の夢

今日の夢はとても思うところがある夢でした。

まず、夢の舞台は、中学校か高校で、各自、問題を解いて解答を作成するという課題が全員に割り当てられました。

解答はなぜか小冊子にまとめられることになったため、私は気合を入れて解答を作成し、入念に見直していました。

そこでの解答の思考プロセスは、誰かが誰かに請求をするという法律家の思考プロセスそのものであったため、途中でこれが夢だと気づき、自分の過去の経験を現在の視点で見直すと新たな発見があるという当然のことを再認識しました。

 

そうしたところ、なぜかタスクが問題解答から感想文に変化して、機動戦士Zガンダムについてレビューしていました。

私は、Zガンダムから派生して、全部の作品を見たわけでもないのに富野由悠季の作家性について論じていました。

 

さらに、思考は飛んで、未熟だった中学高校大学時代を振り返ることとなりました。

私は中学受験組で、運がよく最難関とされる学校に入学することができたのですが、一般的にその後の話はあまり語られないため、これをまとめることにはニーズがあるのではないかと思いました。

プライベートの切り売りですけどね。

あと、こういう発想に至るのは、どう考えても、寝る前に読んだ二月の勝者の影響です。

 

 

そして、これから新たな一歩を踏み出すために、今までのキャリアについて、思うところをまとめる必要があると考えるに至りました。

ここまで思考が進んだタイミングで目が覚めて、忘れないようにあわててブログに書き残しているという次第です。

今まで本のレビューしか書いてきませんでしたが、せっかくの情報発信のプラットフォームですので、様子を見て、こういうことも書いてみようと思います。

 

編集者の危機管理術

 

 1 購入動機

以下のサイトで見かけて、面白そうと思って購入。

toreru.jp

 

2 感想

紹介されている事例はとても面白かったです。

特に、商標や差別的表現についてはあまり接したことがなく、大手の出版社はこのような問題と向き合っているのかと勉強になりました。

また、問題解決の手法については、思ったより謝罪が使われているのだなと認識を新たにしました。

不利な立場であっても、こじつけてでも反論しないと和解金額が下がらないという認識があるため、今までの経験上、謝罪という選択を取ることはほぼなかったのですが、弁護士が介入しないような案件では謝罪という選択を取ることにより穏当に終わることがあるのだなと認識を新たにしました。要は使い分けなのでしょう。

 

もっとも、法律家が書いた文章ではないので、プライバシー関連ではそこまで言い切っていいのかと疑問に思うところもありましたし、法律学的な用語とは異なる使い方をされている部分もあり、引っかかることもありました。

その部分を差し引いても、出版関係にかかわるのであれば、読む価値があるのではないかと思います。

 

ところで、出版社の顧問弁護士の顧問料について、以下のような記載がありました。

本当だとしたら、とてもうらやましい話だなと思います。

 

「顧問料」は月額5万円、年間60万円で、これに夏冬の特別手当的なものを含めると年間約260万円から300万円となる。*1

 

*1:堀田貢得/大亀哲郎著 「編集者の危機管理術 名誉・プライバシー・著作権・表現」P39 青弓社